今所属している会社にもCTO室があるが、他の会社がどのような背景・目的・役割でCTO室を設けているのか気になったので調べてみる。 インターネットで雑に検索して出て来たものをいくつかピックアップし、設立の背景・目的、ミッションなどで共通項があるかなどを見てみる。
ZOZO
設立の背景・目的
VPoEが2018年度に担っていた動きをチームとして対応できるようにするためにCTO室が設立されました。
ミッション
MIXI
設立の背景・目的
詳細は不明
CTO室は2019年5月にできました。前身はモンストの開発・運用をしていた事業本部内にて、複数のサービスに関わるエンジニアを集めてできた開発本部の下部組織でした。現在は事業部を横断した開発者支援や、事業部内のサービス、プロジェクトに入って個別支援を行っています。
ミッション
CTO室は主に以下の4つのミッションがあります。 1つ目の「サービス技術の設計、開発、保守の研究および開発」というミッションでは、最新の技術動向を追跡し、それを調査・検証しています。これにより、サービスの価値向上をリードする役割を果たしています。 次に、「ものづくり人材の育成」というミッションは、社内エンジニアの育成に重点を置いていますが、同時に渋谷区などの高等専修学校への教育サポート活動も行っています。 「QAの改善活動」は、サービス品質の向上だけでなく、各事業部に継続的な改善プロセスや手順を提供し、その実践を支援することをミッションとしています。 最後に、「データのKPI設計や分析の支援」では、データ活用に関する考え方やアプローチを企業全体に展開しています。KPI設計やデータ分析を通じて、サービスのパフォーマンスを評価し、事業部や経営層の意思決定をサポートしています。
KAONAVI
設立の背景・目的
事業会社ですから、個々の機能のリリースや突発的なパフォーマンスの改善などのほうが、どうしても優先されます。その都度いろいろなチームにヘルプとして呼ばれる、というような状況でした。正直、それだと横軸の改善作業は全然進まない状態だったんですね。ですから、いわゆる全社的な改善作業をするチームを切り分けようというのが、CTOの松下さんが、これまでのプロダクト本部とは別にCTO室という組織を立ち上げた意図だと思います。
ミッション
CTO室の役割は、課題を自分たちで見つけてきて、それを改善することです。課題はたくさんあるので、できることから手をつけていくしかありません。その際に意識しているのは、「カオナビ」の開発効率が上がって、より顧客に対する価値提供をスムーズに行えるようになることです。逆に言えば、そこさえブレなければ手法は何でもいい。
YOUTRUST
設立の背景・目的
不明
ミッション
CTO室では、インフラやセキュリティなどのいわゆる共通基盤や事業部のミッション外ではあるが会社として必要な技術領域の取り組みを行なっています。
DMM
設立の背景・目的
CTO就任とともに発足?
ミッション
簡単に言えば、CTOの想いを実現させる部署です。CTOが就任した後、弊社ではDMM Tech Visionを発表しています。私たちがやるべきことは、その実現です。そのために、現在は3つのチームに分かれて活動をしています。 まずは、制度設計やブランディングを担当するエバンジェリストチーム。技術のスペシャリストで結成されたチームで、人事と接点を持ちながらエンジニアのスキルアップを支援したり、技術広報をしたりと、対外的な活動も行います。 そのほかに、事業支援チームと技術支援チームがあります。事業支援チームは、読んで字のごとく事業部に対して技術的な側面から事業支援を行う組織です。コードを書くなど実務的なサポートもしますが、事業成長に貢献することをミッションに置いており、組織開発からシステム開発までなんでもこなします。 技術支援チームの役割は、社内エンジニア向けの共有ツールを開発したり、自社運用していたシステムのクラウド化を推進したり、全社単位での技術支援を行うことです。基本的にはこの3チームが力を合わせ、DMM.comのテックカンパニー化を推進しています。
レバテック
設立の背景・目的
レバテックにおけるシステム・データの課題を解決をリードしていくため
ミッション
ベルフェイス
設立の背景・目的
ちなみに、CTO室設立の背景として、ベルフェイスの開発環境がお世辞にも整ったものではなかったということが挙げられます。上記の3点に取り組み、CTOや開発メンバーがやりたいと思ったことを実現するための環境づくりを行うことで、プロダクト作りを推進しています。
ミッション
端的に言うと以下の3つに取り組んでいる組織です。 1.システムの安定稼働 2.開発プロセスの健全化 3.無理無駄の撲滅 総じてリーンでアジャイルな開発体制を確立し、QCDFを向上させることに注力しています。
Hey
設立の背景・目的
僕がCTOになって仕事を抱えすぎて辛そうにしているのを見て、社長の佐藤が、heyの中にいるCTO経験者を集めてチームにしてみてはどうかと提案してくれました。どの会社にも、会社を横断した課題を解決する箱があるものです。heyの場合はプロダクトごとに組織がわかれていますが、目指していることはひとつ。横断だからできることや、個別のチームだけでは解決できないことをCTO室の裁量で解決するためにこのチームができました。
ミッション
事業的に目指すところがある程度わかっていて、未来の目標も共有できているメンバーが集まって、さまざまなことを解決しています。例えば、組織マネジメントの課題として、今の組織の形をどうしたらもっと良くできるか、などです。他にも、採用基準、評価、査定、異動など。組織を運営している上で起こる、事務的でもあり、難しい判断が必要なことを解決しています。 また、技術的に横断でやったほうがいい仕事もここで話し合っています。モバイルアプリや、インフラなどのテクノロジーをどう考えるか、などです。
マネーフォワード
設立の背景・目的
DB分割のためのチームを作ったことがきっかけでCTO室という組織を作りました。
ミッション
全社的な、あるいは複数のサービスにまたがるような技術的負債の返済を主なミッションとした組織です。各サービスチームの意思決定はどうしても個別最適な意思決定になりがちなので、時には全体最適で意思決定して取り組む必要がある課題も出てきます。 私はCTO室を作って以来、全体最適の取り組みにアサインするべきリソースをCTO室で確保するようにしていて、タイミングによって増減はありますが、おおむね10-15%ぐらいのエンジニアにCTO室で働いてもらってます。 各サービスの開発チームにアサインされているエンジニアの人事権は私にはありませんが、CTO室のリソースは全社的な課題にアサインしたり、その時に最もフォローが必要なサービス開発チームを支援したり等の調整弁になっていて、リソース調整のスピードと柔軟性を高めることに役立っています。
各社のCTO室設立の背景・目的まとめ
- VPoE, CTOの負担軽減
- 全社横断な課題解決組織として発足
各社のCTO室ミッションまとめ
- ZOZO
- 全社における技術的な戦略策定および、エンジニア組織強化のための施策の推進
- MIXI
- サービス技術の設計、開発、保守の研究および開発
- ものづくり人材の育成
- QAの改善活動
- データのKPI設計や分析の支援
- KAONAVI
- 開発効率が上がって、より顧客に対する価値提供をスムーズに行えるようになること
- YOUTRUST
- インフラやセキュリティなどのいわゆる共通基盤や事業部のミッション外ではあるが会社として必要な技術領域の取り組み
- DMM
- CTOの想いを実現させる、DMM.comのテックカンパニー化を推進
- レバテック
- 事業拡大に伴い、既存の複数サービスとこれから立ち上がるサービス含めて総合的にアーキテクチャや設計を考え、開発や事業をリードしていくための組織
- ベルフェイス
- システムの安定稼働
- 開発プロセスの健全化
- 無理無駄の撲滅
- 総じてリーンでアジャイルな開発体制を確立し、QCDFを向上させることに注力
- Hey
- 事業的に目指すところがある程度わかっていて、未来の目標も共有できているメンバーが集まって、さまざまなことを解決
- 採用基準、評価、査定、異動など組織を運営している上で起こる、事務的でもあり、難しい判断が必要なことを解決
- 技術的に横断でやったほうがいい仕事もここで話し合っています。モバイルアプリや、インフラなどのテクノロジーをどう考えるか
- マネーフォワード
- 全社的な、あるいは複数のサービスにまたがるような技術的負債の返済を主なミッションとした組織
まとめ
各社のCTO室について設立の背景やミッションについて調べてみた。 当たり前に各社様々な目的や背景、ミッションを持っているが大枠では「全社横断で解決すべき課題を解決するための組織」という部分が共通しているのかなと思った。
これらの調べてた内容を元に自組織の運営に活かしていきたい。